わたがし〜甘い甘い、恋の味〜



「でも…」


「結衣、わたがし売り切れだってよ。」


相川くんのとなりの湊が、ぼそっと言う。


売り切れ…もう少し早く来ればよかったな…


お財布を家に忘れて、取りに戻った自分を恨む。


食べたいな、わたがし…


「相川くんは…い、いいの?」


「むしろ多くて困ってるくらい。さ、いこ」


そういって背中を向けて、スタスタ歩いていってしまう相川くん。


慌てて小走りで追いかけた。


どこにいくのかな?


「結衣、ハル、俺やきそば食いに行ってくる。」


「あ、じゃあ私もー」


ちょ、ふたりとも!?


これじゃあ、2人っきりになっちゃうよ…?