わたがし〜甘い甘い、恋の味〜



真っ赤な顔で、荒い息をはきながら俺を見上げる結衣。


こんな時に、かわいい、とか思ってしまう。


「へーき。立てるか?」


「ん…」


す、っとだした俺の手に、結衣が自分の手をのせた。


「あ、っつい。熱、あるだろ」


「ないない!…へーき」


顔、真っ赤だし。ふらふらしてるし。手がこんなあついし…


でも結衣は案外、すぐに体を起こした。


「ひとりで立てるから、大丈夫!」


そう言って結衣は、俺の手を離した。


しゃがんだところから、ばっと立ち上がったとたん…


「…っ」


足首をおさえて、しゃがみこんだ


「どした?」


「へい、き。けど、ひねった、かも」


顔をあげて、苦しそうに笑う結衣。


「へーきじゃないだろ。みせて。」


結衣は無言で、地面に座ったままくつ下を脱いだ


「いたっ」


くつ下をぬぐときも、痛い場所にあたったのか顔をゆがめる。


「ここ?」


「うん…」


真っ赤にはれていて、見るからに痛そうだった


「痛いだろ、これ…立てるか?」


「…もう少し、休めば立てるかも…

ごめんね、迷惑かけて。」


結衣が悲しそうに、辛そうにうつむいた


「いいよ、無理すんな。俺も一緒にいるから」


「でも…文化祭が…」


結衣の目に、涙がたまる


ぽとっ、と、頬に涙が伝う


「…奏が、なんとかしてくれるだろ」


「でも…っ。奏にもハルくんにも迷惑かけちゃう…クラスのみんなも…」