「おはよ」


私の隣で自転車をとめて、笑顔で挨拶してくれた。


「お、おはよっ」


目が会う。


どきどき。心臓がうるさい。


「今日で最後だな。こーゆーめんどくさいことも」


「うん…」


ハルくんは私から目をそらして、赤信号を見つめてつぶやいた


「でも私、ハルくんとできて楽しかっ…た」


恥ずかしいけどホントの気持ち。


最後だから…ちょっと大胆に攻めてもいいよね?なんて。


ハルくんは何も言わないで、信号を見てる。


「信号変わった。いこ」


ペダルをこぐハルくんの背中を、慌てて追いかける


もしかして楽しくなかったのかな…


あんなこと言っちゃって、恥ずかしい…


ハルくんは学校に着くまで、なにも言わなかった


だから…私も何も言えなかった。