わたがし〜甘い甘い、恋の味〜



*゚春輝side*゚


放課後の書類整理。


なぜか並木と2人で、文化祭委員をやることになってしまった。


まあべつに、嫌じゃない。


どーせ暇だったし、まー。


とか思ってたのに目の前の資料の山を見て、回れ右して帰りたくなった。


「うわ、こんなあんの…」


「でも、がんばろ!相川くん!」


「そーだな。あ、そーえばさ。」


「…なぁに??」


「相川くんって呼び方、なんとかなんねーの?」


俺は春輝、だからみんなにハル、と呼ばれている。


並木にだけは相川くん、と呼ばれていて気になっていた。


「ふぇ?」


この小動物っぽい鳴き声は、並木から発声されたのか?


「俺さ、ハルって呼ばれてるからハルって呼んでよ。」


「…は、ハルくん…っ」


並木は、顔を真っ赤にして言った。


「…ありがと。」


その姿を、純粋にかわいいと思った。


これから毎日一緒に作業をするのが、楽しみになってきた。