「じゃあ、男女ひとりずつ文化祭委員なー。」


1時間目はHR。


湊が、黒板の前にたってめんどくさそうに叫んだ。


湊はなぜか、学級委員をやっている。


まあほぼ雑用係のようなもの。


無愛想で、口が悪い。でもお人好しなところもあって、頼まれたら断れない。


そんな湊の性格を知っている私は、そこまで意外じゃなかったけどね。


「えー」


「めんどくせー」


私も、文化祭委員はやりたくない。


放課後遅くまで残されて、まずは文化祭に関する資料の整理。


テーマの候補ぎめ。


それから役割分担。


とにかくたくさん仕事があって、だれもやりたいとは思わない。


「じゃあ結衣。俺からの指名な。」