俺も、並木のあとを追って走る。


「…っきゃああ!?」


そろそろ追い抜かせそうなところまできたとき、並木の体が前につんのめった。


「っおい!」


ガシッ


思わず、並木の腕を掴んで転ぶのは防いだ。


「…いたっ」


手を離すと、並木は顔を歪めてしゃがみこんだ。


足を抑えている。


「どーした?」


「っ、ううん!大丈夫!」


慌てて顔をあげて首を振る並木。


俺は、そっと手をどかしておさえているところを見た。


「…靴ずれ?」


「ん…そうかも。げたとかあんまりはかないから…」


赤くて痛々しい。


「立てるか?」


「…うん。ごめんね」


ふっと、笑顔を作る並木。


「無理すんなよ?」


「…ありがとう!」


街灯の下で立ちあがって笑顔を見せる並木の顔は、真っ赤だった。