もういいかい

小原雄二 -泉川中学校- 久々の再会


同窓会当日。

集合場所は、不思議なことに9組の教室だった。
しかも、時間は7時。

こんな時間に、しかも卒業生が校内に入っていいのか、と疑問に感じたが、とりあえず泉川中学校に向かってみる。

今日は祝日だからなのか、学校に明かりは点いていない。

まあ当然か…。

半分諦めながら、9組の時いつも通っていた玄関を一応見てみる。




「……………あれ?」

思わず、声を出してしまった。

玄関は、開いていた。
周りには、たくさんの靴が散らばっている。

本当に、同窓会やってるんだ…。


「……………先輩?」

どうしていいか分からず立ち往生していると、突然後ろから声をかけられた。


…先輩とは、中学の時の俺のあだ名。
人より背が高かったらしいので、そう呼ばれていた。

そして、この声。

忘れる筈がない。


この特徴的な高い声は、間違いなく…。


案の定、振り返ってみると昔となんら変わりのない姿をした、俊…田波俊がいた。
前と変わった事といえば、どこか分からない高校の制服を着ている事くらいだ。

それが余計に、時の流れを実感させる。

「俊…久しぶり」
そう言うと、またも変わらない笑顔を見せる。

「やっぱり先輩かー!久しぶり。…入らないの?」
そう言われて、我に返る。


「……………いや、入るよ」

きっと、誰かが先生に頼み込んだんだろう。
そう思うことにしてから、靴を脱いで玄関近くに置く。
俊も同じ様にしてから、9組に向かう俺についてきた。


…………………………………………………………


「先輩、変わんないね」
四階まで上る最中、そんなことを言われた。

「…俊もな」

そう呟くと、「えー、そうかな?」と意味も無く照れた。




…結局、5年くらいじゃ人は変わらないのかな。


少し寂しく思いつつも、俺は俊と会話を続けた。