新米先生の私は、
人口100人程の島の学校につくことになった。



この学校の生徒は、
たったの5人。



そして先生も、
たった2人。

ほとんどマンツーマンだ。


それなのに。







「たった一人の同僚がこんな鬼なんて…聞いてないよう……。」




小さく呟いたつもりの私の声は、浮武(ウキタケ)先生には聞こえていたようで。



「おに?
次の鬼はお前だっつってんだろ!ばーかばーか。」


「じ、地獄耳…」


ばーかばーか。って……子どもか!
いったい幾つよ!



「リエ先生は声でかいからな…」

クスクスと笑う浮竹先生に、私は余計に腹が立つ。

「もーう!うるさい!
ばかって言う方がばかなのよ!です!」