私は走って、学校の屋上に来た。








ここなら、誰もいない。






好きなだけ、泣いていい。











「こんなの・・・酷い・・・」




誰もいないとなると、思わず口に出る。












「へぇ、何が酷いんだ?」







?! 誰かいる。





「誰よ・・・」





私は声の主らしき人を睨みながら言った。









「ちょ、怖い顔すんなって!!俺だよ俺!!隼人(はやと)!!!」











隼人・・・ああ・・・















隼人は私の幼なじみ。











「なあ歌恋、酷いって何が酷いんだ?」





「なにも無いって・・・」







「笑わないから、教えて?」





「うるさいな、馬鹿」



「歌恋のケチ。」





「隼人うるせー」






ああ・・・何で隼人といるとこんなに和むんだろ。










「なぁ歌恋、悩みがあるなら話せよ。心配すんな。誰にも言わねぇ。」








・・・・・












隼人の言葉で、こんなに温かいのは初めてだ。
















私は大きく深呼吸した。










「実はさ、私・・・」





そして、私の恋について、全部話した。