ドライアイス

「お前が幸せそうなのはわかったよ」


「疑うなら食べてみれば?」


「は?」



私は黙って、彼の目の前にアイスを差し出した。


このアイスと私、交互に見ている吉澤くん。


その困惑ようの顔が、少し可笑しい。



「何笑ってんの」



あ、睨まれた。


というか私、無意識に笑ってたみたい。


アイスを引く様子のない私に諦めたのか、吉澤くんは溜め息をついてから、アイスに口をつけた。


不味かったら責任取れよ、と脅し文句を口にしながら。