少し話してからこっちに戻ってきた。
「道に迷ってるらしくてさ、ちょっと
案内してくるから、先に上がってて。」
予想外の展開にびっくりした。
「あ、あたしも行く!!」
なんだか嫌な予感がして思わず口に出した。
すると康聖は優しい笑みを浮かべながら
「大丈夫だよ。案内って言っても
すぐそこのタクシーのところだから。
家で待ってろ」
頭をぽんぽんとしてくれた。
だけど私の不安は晴れなかった。
「じゃ!行ってくるから!待ってろよ!」
「ちょっ、康聖!」
私の呼びかけに振り返ることはなかった。
そして2人で歩いて行ってしまった。


