好きだよ、バカ

「おはよー!」

元気良く挨拶をし、教室へ入る。
今は6時57分。この時間はいつも有馬しかいないので、毎日有馬の「おはよ」しか聞こえてこない。


「お前、元気だよな。毎日。」

「ん?そう??ん??てか、それ褒めてる?」

「なあ、お前なんか無理してる?」


助けを求めたかった。
有馬は学級の副委員長で頼りになる。
でも、ここで助けを求めたら?
どうなってしまうのだろうか。

引かれる?
慰めてくれる?
どうなるのか想像がつかない。

「お前、何泣いてんだよ!」


怒鳴っているような感じなのにどこか心配しているような声で言われ、私は自分の頬を触った。


「有馬…助けて……。」


その場で私は泣き崩れた。
廊下を通る人たちの視線が痛かったが
有馬は静かに私を抱きしめた。


「有馬……?」



中井の声が聞こえた。