Sugar&Milk

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瑛太くんの横に立つ相沢さんの存在に戸惑ってからずっとそのことが頭から離れない。二人の遠慮のない会話を聞くのが辛かった。相沢さんは自然体な瑛太くんを引き出せる。それが堪らなく悔しい。あの時の私は自分が透明人間になった気がした。そこに存在していても、意識されていないかのように二人の世界に入れないでいた。
瑛太くんに泊まっていってと言われても承諾できなかった。瑛太くんにとって私はどんな存在なんだろうって思ってしまって。
こんな感情、抱きたくはないのに……年下の子に嫉妬するなんてバカみたいじゃないか。





12月25日の22時38分。瑛太くんからの連絡はない。結局アルバイトを休むことができなかったけれど日付が変わる前には連絡すると言っていた。
夕方に送った『お疲れ様。時間があったら連絡してね』のメッセージが既読にならないということは、忙しくて帰れないということなのだろう。

どうしてもクリスマスに会いたいと瑛太くんは願っていたけれど、私は彼ほど会いたいと願っているわけではない。もちろん今も大好きだし、大事にしたいと思っているけれど、仕事の合間の体力と時間を削ることに最近疲れてきていた。クリスマスは恋人にとっては大事なイベント。今夜時間を作るために仕事を調整したけれど、瑛太くんが忙しいのであれば仕方がない。いつでも会いに行けるように起きていようと思ったけれどお風呂に入ることにした。

お風呂から出るとスマートフォンに着信があったことを知らせるランプがついているのが目に入る。瑛太くんから電話が来ていたようだ。折り返しかけると「もしもし……」と少し掠れた声が聞こえる。