神隠し

まだあまり人は教室にはいなかった。

ちらほらいる程度。
本を読んでいたり朝から勉強をしている人もいた。


私は聞きたかった話を切り出す。
「梨乃から聞いたけど、話って?」

「あぁ。聞いたのか…」

そして黙り込んだ。
やっぱりなにか重要なことなのか。
翔は梨乃と同じくゲームがとても上手い。

それともうひとつ。二人はホラーゲームや怖い話も大好きなのだ。
だから噂や都市伝説なども詳しい。
かといって幽霊スポットに行くようなことはしなかった。

結構前に遠くで事件があったらしく、
都市伝説に関わるようなことだったらしい。

それを話したその時の翔はとても真面目な顔をしてた。

もしかしたら都市伝説と関係があるのだろうか。

私はそこまでじゃないが苦手だった。
ホラーゲームってよく脱出だったり謎解きが多いし、
変なものもでてくる。

…都市伝説と関係があるって考えたら正直聞きたくなくなった。

「なぁ、俺気になるんだけど」

え、もう聞くの。

「梨乃きたら言うの?」
隼人がそう続ける。

「梨乃きたら言うから。待ってろ」

…はぁ。
ていうかこれじゃ私がビビリみたいじゃないか。
そもそも都市伝説は存在するのか?