神隠し

「梨乃?」

「えっ?」
ハッとした顔でこっちをむく。

「どうしたの?」

「な、何でもないよ。ちょっと考え事してただけ」

「そう?まぁ。いいや。」

考え事…ねぇ。翔の話かな。
それとも他になにか……

翔の話なら私も気になるな。

「あ、今日学校着いたら職員室行って来るから。
先に教室行ってて」

「りょーかい」
生徒会の用事かな。
それなら会計やってるから文化祭の予算とかかな。

「そういえば翔たちは?」

「用事あるから先に行ってるって。内容は知らないんだけどね」
そういって梨乃は微笑んだ。