「この花、何て名前なのかな?」


「………」




変わった花。



蕾だけを見れば、外側は白



咲けば、花びらの上から茎の方向へと色が日に日に青や、赤、黄色に変わっていく



そして、枯れる時は黒く染まる





「……マクサ」


「え?」


「マクサっていうんだよ、それ」


「マクサ?」


「魔、からきてるんだよ。黒く染まって枯れるから」




枯れて地に落ちてから、黒く…茶色く朽ち果てて行く



でも、この花は黒く染まってから地に落ちる。




まるでーーー





「触らないほうがいいよ」


「え?」


「その花ね、呪いをもらうって有名なの」


「……」




イーチェは僕の言葉に唖然としている




「マクサのマは……魔からとられてるって言ったでしょ?だから、触れれば魔に体が侵される。なんて、噂があるんだよ」


「モルちゃん、物知りだね」


「……あ、そこなんだ」




普通、こわーい。とかいうもんじゃないの?それか、こんな事を知ってる僕に疑問を抱くか




マクサは普通の辞典とかには載ってない。何処かの研究書類とか、こういう古びた村でしか見かけないもの



普通の一般人は知るわけない花。だからこそ、怖いんだ。




知ってる人の間では、呪いの花として知られているけど



知らない人にとって、それはただの綺麗な花だ。触る人も出てくる