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「いた?」


「何処にもいないわよ。本もないみたいだし、……何処か出かけたのかしら」


「逃げたんじゃないっすか?」





朝、出発まじかの時間になってもリビングに来なかったモルちゃん



不思議に思い、モルちゃんに与えられていた部屋に行ってみれば



そこには誰もいなかった



いたような形跡すらなかった



布団もそのままで、捲られたような感じはない



モルちゃんが来る前から一切変わってない




「エレガン、魔力を探れるっすか?」


「何処にもいないよ。城には何かわけわからない結界が張られて感知できないし……」


「もう国外、か?」


「かもしれないし、城。かもしれないね」




エレガンには、ある一定範囲で知ってる魔力を探れる事ができる




「城、はない、です」


「ナンティル?」


「見たけど、普通です。ただ帝国の輩が動き回ってるです」


「じゃ、オルフェ見える?」





ナンティルはサーシャの問には答えず、目を伏せた





「………いや、」





しばらくそのままでいたが、ポツリとそう呟き眼を開けた