『僕にだってできない事、あるんだ』



「……そんなこと、ない」


「モルちゃん?何か言った?」


「ううん?何も言ってないよ?」


「そっか」





そんなこと、ない。あるけど、ない



アレを止める事が僕の使命。



それさえ、できれば





「じゃあ、行くか」




歩きだした彼らの後を、静かにゆっくりと着いて行く



先頭がエレガンで、僕の歩幅に合わせているだろう歩きだから助かる




隠れ家、ちゃんと用意してあるんだ。さすがだ、幹部さん



たどり着いた先は、一軒の普通の家



どっか、見つかりにくい場所なのかと思ったら全然だったや




中も特に過ごしにくいって事はない。ただ、城で暮らしていた彼らにとってどうかは知らないけど




「じゃ、朝方。ココを出るっすから、それまてあまり勝手な行動はしないでくださいっすね」




明らか、僕に言ってるだろう言葉。



………疑ってるなら、置いてけってんだ




まったく




置いてって何て言えもしない僕だけどさ



置いくってか、預けられるんだろうけど




僕はソファに足を抱えて座り、僕をギュッと握りしめる





朝方、彼らが起きるよりも先に、出発するぐらいに戻ってくれば問題ないよね?





勝手な行動、させてもらいます。