まず、イーチェが読めなくて僕が読めたら、僕もっと普通じゃない子みたいじゃん



普通じゃないですけども。



魔道書は読めなくては使えないもん



護身用って言っちゃってるけど、姫さんなら気づきもしないだろう




「に、しても。遅いね、みんな」


「だね」


「何かあったのかな」





窓の外はもう既に真っ暗で、月が昇ってる





「モルちゃん、眠くない?」


「眠い」


「そっか、じゃあもう寝よっか」


「ん、」




イーチェに連れられ、寝室へと移動する。



しかも、イーチェの部屋の寝室ではない。客ようのだ




まぁ、僕がいては話せないこともあるだろうからか




これで、朝起きたら二ラマの国とかやめてよね




「おやすみ、モルちゃん」


「おやすみ、イーチェ」





暗くなった部屋に、僕とイーチェの声が響く



バタンと、ドアが閉まる




「………」



ベッドに潜り込み、布団を引っ張って丸まる




「1人、……何だよな」




もう、あの子のいた世界じゃない


1人の夜はいたいほど、その事を感じさせる




あの子は瘴気にのまれなかっただろうか。あいつは、あの子を助け出したんだろうか




『僕が……止めてあげるから』




いつも、いつも結末が見れない。大切な人が助かっているのかもわからない。




………、約束




破っちゃったなぁ





そう思いながら、僕は眠りに落ちた