冥王ー黒き龍と白き龍ー





「……モル。思い出せ」


「モル、」


「モルちゃん!」


「っ、……煩い、煩い煩い!!」




と、キッとコッチを睨んで、その手に持つ剣を投げた




それを防いだのは




「あー、まだ節々が痺れてるっすよー」


「オグニ!」


「ふぅ、どうやらあんまりよくない状況みたいっすね。起きない方が良かったか」


「んな事あるか」




オグニだった。刀を手に持ち、それで地面に落とした剣を拾う



その剣の持ち主であるモルちゃんは、片手を頭に当てて、眼を瞑り、歯を噛み締めていた





「モルテア。あんたは記憶がないと言ったっすね」


「……」


「………消されてるんすよ、記憶」


「なんで、そんなの」


「操られてるっすよ、モルテアは今」




ポカンとするモルちゃん、私もそれに似た顔だろう




「エレガン、あんたならすぐに気づいたはずっすよ」


「ぼ、僕かい?」


「そうっす。だって、不安定だったとはいえ………あまりにも魔力が変わりすぎてるっすからね」


「あ、……確かに」