「器を壊す?何を言っている、お前が器、そのものだろう」
「あのアクアって人にも言ったつもりなんだけどなぁ。……簡単には信じないか」
「お前、」
「ふふ、驚いた?」
さっきまでの無表情が嘘のようにニッコリと笑うモルちゃん
それにオルフェが怒りを露わにした
「てめぇ、どういう事だ。使命って、イーチェを殺す事がてめぇの使命って言うのかよ!!?」
「……怖いな、もう。その眼光にはどうも足が竦む」
「答えろ!!」
どう見ても、竦んでいるようには見えないモルちゃんは
言ってほしくも、信じたくもない言葉を簡単に言った
「そうだよ。白か黒の器を壊す事、それが僕の使命」
「え、俺も?」
「僕に君は倒せないよ、もう既に龍の力を手にしてるんだ。この姿で倒せるはずがない」
「だから、イーチェかよ」
「うん。だから、オルフェ。そこをどいて?」
「………今まで、ずっとこの為に私といたの?」
声が震えた、でも聞きたかった。
信じたくないんだもん、こんな事
「そうだよ、すべてはこの日の為」
「一緒に旅したのも、笑ってたのも!!全部嘘なの?」