ーーーーーーーーー…




「何をそう急いでいるの、イリア」


「なら、お主は黙ったまま、再びあれを繰り返すのか」


「………仕方ないわ。私達はあの子にあの時の事は言えないのだから」


「………、それもそうじゃな。ふぅ、厄介な体じゃわ、本当に」


「そうですわね」


「そういえばじゃ」


「なぁに?」






星空の下。2人の男女が夜の潮風に当たりながら、ひっそりと会話をしていた





「帝国のみならず、信者までもが動きだしたそうじゃ」


「確か、向こうの大陸には帝国があったわね」


「うむ。」


「……せめて、モルの力が戻ってくれれば良いのだけれども」


「無理そうじゃな。魔力も不安定なまま、あれじゃ暴走するに決まっとる」


「………」


「まぁ、とにかくじゃ」




イリアは、視線を空からアシュへ向ける




「儂らのできる事をしよう。……モルの事は彼らに任すしかのうて」


「………そうですわね。」






数多の星が、空を流れ落ちる時



それは合図



獅子王の復活は……近い