冥王ー黒き龍と白き龍ー





甲板に降り立つと、そこは一見普通の船ではあるが




「結界、がはってありますね」


「そうじゃよ、よく気づいたの。大陸への近道を通るには、彼処の海はちと荒れとるからの」




白髪の男は、甲板に置いてあった樽に片膝をたてて座り、俺らをグルリと見渡した



「儂はイリア。いちお、この船を動かしとるもんじゃわ。年はまぁ、聞くな」


「え、何歳?」


「む?ひゃ……言わすな」




今、微かにひゃ。って聞こえたぞ。百だろ、百なんだろ!?




「イリアー、アシュは?」


「む?おらんか?ほっといたら出て来るじゃろ」


「やぁね、いるわよ、上に」





真上から声が聞こえた


そちらへと顔をあげれば、




「………いねぇじゃねぇか」


「そうっすね」


「ヤダ、もう。コッチですわ」


「!?」



今度は、あの白髪のイリアって男のいる方向から聞こえた




「アシュ、遊ぶんじゃなか」


「……ふふ」