冥王ー黒き龍と白き龍ー





「……さむい、はいる」


「え、あぁ、そうね」




そういってサーシャは僕を抱き上げ、ゆっくりと湯船に入れてくれた



はぁー、あったまるわぁ




にしても、ツルツルして何度か滑りそうになったものだ




しばらくして、湯船から上がり体を洗い、拭き………などをやって服を着た




白を基調とした服で、まぁ春物だなぁ





あの何人かがいた部屋に戻る際に、廊下にある窓から見えた空は



茜色に染まりつつあった





あぁ、もう夕方か




ぽけーっと窓の外を見ながら歩いていると、扉のあく音がして、部屋についたんだとわかった



サーシャが扉をあけ、その中へと入っていく



僕もそれに続く





「あ、モルちゃん、おかえりー」


「……」




中にはあのピンク色の人、イーチェもいた


オルファも。





「気持ちよかった?」


「ん!」


「そっか!」




コクリと頷けば、イーチェは僕の頭を撫でてくれる



悪くない。



………何様だよってか、





「……で、その餓鬼どうすんだ」


「街の子なんすよね?」


「じゃ、僕が街へ連れて行くよ」


「え、私も行く!」


「やめとけ、姫とエレガンが行けば余計目立つだろ」




………ん?今なんて?



姫?



イーチェが?