「もー。マジで何なのさ」





左右の壁は家でもない塀のようだ。向こうは何だろ、



とは、思うがさすがにジャンプで跳び越えられる高さではない




ちぇー、走るしかないか




槍もオルフェにあげちゃったしなぁ、この本は使わないとして、もう一個の方は………使えないもんな、こんな時に。



僕まで巻き添えくらうや





「……いつまでも逃げきれると思うなよ、餓鬼」





と、すぐ真後ろから声が聞こえた




「うぎゃぁあ!!?」


「化け物見たかのような声だすな!!」




怖い顔で、僕に手を伸ばしていた王子さん


その手をかわして、慌てて足を速める



おおう、王子さん、足速いのね



いやぁ、ビックリ。





視界の先に、街のような入口を見つけ、心の中で喜んでいた





よし、あそこをこえれば、彼らも




簡単には僕を追って来れないはず






「母親と父親がどうなってもいいのか」





そんな声に僕の足は止まる




ゆっくりと、振り向けば僕が足を止めるとわかっていたのか、歩いている軍団




だから、本気で追いかけては来なかったのか