「親の都合でしばらくの間編入する事になった雪森 伊緒凛だ!みんな仲良くするようにな!」

「……よろしくお願いします」

ちゃんと先生について行って、自己紹介中の私。

クラスは結構ザワザワしてる。

中には、

「なぁなぁ、雪森……だっけ?あいつ女みたいじゃね?つかちっちぇー!」

「ああ、俺も思った!地味にかわいいんですけど!」

……ちょっと理玖。

既にばれそうで私心臓はれつしちゃいそうなんだけど。

「あぁーっとじゃあ、雪森の席はぁー」

「先生、僕の隣空いてますよ?」

「お、山本の隣か!丁度いいな。彼は委員長もしているから分からないことは教えてもらいなさい」

快く私を迎えてくれた山本……くんは委員長をしているらしい。

真面目で優しそうな人で良かった。

でもこの学校には似合わない人だなぁ。

それにしても、この山本くんって……切れ長の瞳を隠すような長い睫毛にすらっとした鼻、つやつやの唇。

まぁ……俗に言うイケメンくんかな?

「雪森さん、僕は山本 俊希(やまもと しゅんき)。よろしくね」

「え?ぁ、よろしく」

「分からないことがあったらなんでも聞いてね!」

「う、うん。ありがと」

やっぱり優しい!!!

あれ?

そう言えば……

「ねぇ、山本くん。なんで周りの三席が空いてるの?お休み?」

そう、私と山本くんの周りには空席がいくつかあった。

実は気になってたんだよね。

「ぁ……あぁ、今にわかるよ」

結局山本くんは言葉を濁したまま最後まで答えてくれず、1日がおわった。