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「あ、あづい………」

「まぁ、砂漠の国だからね、オアシスまで頑張ってよ」


へとへとの私に、イオンが手を差しのべる。
迷わずその手をとった。


そう、ここは砂漠の国、アルハジャール。

一面砂、砂、砂!


暑いし、歩きづらいしで倒れそう!
それに、船を降りてからいっこうにそのオアシスとやらが見えない。



「海が恋しいよ!」


叫ぶと、船員の皆がドッと笑う。


「お、嬢ちゃん、なかなか言うねぇ!」

「ハハッ、立派なもんだ!」


笑いながら私の背を叩く。


少し、距離が近づけたのかな。
そうだったらいいな………


笑い合える人達が傍にいる事、それが不安だった私の心を、こんなにも安心させてくれてる。


仲間っていいなぁ………
しみじみそう、思った。


「そうだ。三咲、元気かな…」


三咲だけじゃない、シスター恵麻も、懺悔の途中でいなくなった私を心配してるんじゃ……


いつもは耳にタコが出来そうになるくらい鬱陶しかったお説教も、今は無いと寂しい。


駄目だな、私。
暑くて気持ちも弱ってるのかも………


「シャキッとしなきゃ!」

ーパチンッ

頬を叩くと、突然後頭部に拳骨が落ちてきた。


「うるせぇ、暑いんとからぎゃあぎゃあ喚くな!」

「い、いったぁぁい!」


同じく暑さにやられているシドは不機嫌そうに私を睨み付ける。


うっわー!
超ご機嫌ナナメですよ、シドさん!
もう、イライラするからって私に当たらなくても!!