「お前、何者だ!!」
「海賊『紅の星』だ」
シドはそれだけいい放ち、私を引き寄せる。
「『紅の星』だと!?あの義賊を語る海賊がこのアルデハイトの屋敷に踏み入れるなど、許されん!!」
バルイットさんは宝石を空へと掲げ、ニヤリと笑う。
ベルは慌てたように私達の前に出た。
「父さん!!宝剣の力を使っては………!!」
宝剣の………力……?
宝剣を見ると、埋め込まれた青の宝石が強く輝き出す。
『♪♪♪~』
歌が、強くなった気がした。
皆は何も聞こえていないのか、誰一人としてそれを指摘する人はいない。
「宝剣………」
「宝剣は神が大地へ落とした冠の証って言われてる。ようは、あの宝剣を手にしたモノに、地位、権力、金、力…望む物全てを与えてくれるってわけだ」
シドが宝剣の事を教えてくれる。
そんな、何でも叶えちゃう力なんて………
なんか怖い………
「アルデハイト家はこの宝剣により領主へと君臨した!私が主でいる限り、お前達など虫けらも同然だ!死ね!!」
『♪♪♪~』
歌がっ…………
頭に直接響いて!!い、痛い!!頭がっ………
まるで鈍器に殴られたような衝撃だ。
「るな!!」
シドが、私を抱き込むのが見える。
強大な力が私達に襲いかかる。
嫌っ…………
シド、ベル、皆っ!!!
「傷つけないでぇぇっ!!!」
ーピィィイインッ!!
叫んだ瞬間、青い光は突然消え、静寂が残った。
「な、なんだ………?宝剣が…停止した!?」
バルイットさんの慌てた声が聞こえる。
「おい!!どうした!!私の言うことを聞けないのか!?」
まるで、狂った鬼のように剣を振り回す。
力を手に入れた人間は、皆こうなっちゃうの……?
誰かを傷つける力なら………私は、いらない…


