「何を言ってる?お前と私では天と地の格差があるんだ、一緒にするな。おい、この小娘を叩き出せ!」
ベルのお父さんであるバルイットさんは腰につけた青い石の埋め込まれた剣の先を私に向けた。
「これを見ろ、これは我がアルデハイト家に伝わる領主の証、宝剣だ」
「宝剣……?」
良く見れば、本当に綺麗な宝石………
まるで、吸い込まれるような…………惹かれる。
『♪♪♪~』
「………あ…れ?」
歌が聞こえる………
酷く心を締め付け、捕らえる美しい歌。
どこからだろう………
誰が歌ってるの………?
キョロキョロと周りを見渡すと、ソレはあった。
そう、宝剣だ。
宝剣から歌が聞こえてくる。
剣を向けられているのに、その歌声に心が捕らわれて、聞き入ってしまう。
そんな時、私の視界に大きな影が映った。
「何を呆けてる、死にてぇのか!!」
聞き覚えのある声、赤い髪に眼帯の少年。
それは……
「シド!!」
どうして………
私、勝手に出てったのに………
どうして………ここにいるの?
その背中を見たら、何故か安心して涙が出た。


