女神の落としモノ




「………るな、君は不思議な子だね?」


「ベル?」


ベルは私の頬を優しく撫でた。
私を見るベルの目が優しい。



ベルの孤独は、なんとなく分かる。
この世界では、私も孤独だったから。


シド達とも………離れちゃったし………
戻りたいけど、その為の理由が見つからない。



「私は、きっと寂しかったんだ。だから、きっとるなを連れてきてしまったんだと思う」



「ベル、お父さんと向き合ってみたらどうかな?人ってさ、限りある時の中を生きてるでしょ?死んでしまったら、何にも伝えられないんだよ?後悔、しないでほしいんだ」


お母さんが病気で入院した時、嫌というほど知った。
私たちは、永遠には生きられなくて、限られた時間を生きてるんだって。



いつか、終わる時がくる。
だからこそ、一日一日を後悔しないように生きようって決めたんだ。


「………怖いな、23年生きてきて、初めてだよ。こんなに勇気を振り絞るのは」


「じゃあ!」


「向き合ってみるよ、私には天使がついてるみたいだからね」


ベルは笑い、私の髪を一房とり、口づけた。
その、王子様のような仕草に私は頬が熱くなる。


「わ、ベル!」

「赤くなって可愛いね。るな、そうと決めたら、行動してみようと思うんだけど、手伝ってくれるかい?」


ベルは方目をつぶり、私を見つめる。


「もっちろん!頑張ろうね、ベル!」


私はベルの手をとり、笑顔を返した。


勇気を、誰よりも頑張ろうとしているベルに、どうか女神様…
ベルの心を守ってね………