ベルのお屋敷にお世話になって数日。
私はベルと一緒に約束していた薔薇園を案内してもらっていた。
「ベル、ベルのお父さんって偉い人なんだよね?私なんかと一緒にいて大丈夫なの?」
薔薇園を歩きながら、私はベルになんとなく尋ねてみた。
良く分からないけど、簡単に見ず知らずの私を拾ったりして、あとで怒られたら、ベルに申し訳ない。
「どうかな………」
何故か、ベルは寂しげに笑った。
その笑顔の意味が分からなくて、私は首を傾げる。
「どうかなって………。ベルのお父さんの事でしょ?」
「……私の父は、仕事以外で私に興味をもった事はないからね。君をここに置いていると知っても、私は父が怒るのかどうかも分からないな」
そんな………
お父さんが怒るかどうかが分からない?
そんなにも、ベルとベルのお父さんとの距離は遠いの?
「だから、君が来てくれて嬉しいんだ、るな。前よりも、孤独を感じなくなったからね」
あぁ、どうしてこの人は、寂しいのに笑うんだろう。
きっと辛い思いをたくさんしてきたはずなのに……
「どんなに裕福でも、心は違うんだね……」
私の家も、決して裕福では無かったけど、互いに愛があったのを私は知ってる。
「たとえ、どんなに素敵な家に住んでても、どんな宝石に囲まれてても……ベルは、幸せそうじゃないみたい…」
失礼な事を言ってしまったとは思う。
だけど、すごく悲しかったから………
「ねぇ、ベル。そんな孤独、受け入れないでよ。寂しいなら、寂しいって言っていいんだよ?」
「寂しい……そう言っても、父は……」
「もし、受け入れてもらえなかったら、私が受け止めるから!ベルはもう私の友達!友達を守るのはあたりまえでしょ!」
そう、私が受け止める。
親子の愛には叶わないかもしれないけど、絶対にベルを拒絶したりしない。


