女神の落としモノ





「では、るな姫、食事を摂るといい。雨の中にいたんだ、体を元気にしてあげなきゃね」

「ベル…………」


「そうだ、私と食べよう!一人での食事は、寂しいからね」


そう言ってベルは部屋を出ていき、食事をメイドさん達に運ばせ、私の部屋で一緒に朝食を摂る事になった。


「そこで食べた方が、すぐに休めるだろう?」

「あははっ、ベルは大げさだよ」


最初は敬語で話していたけれど、すぐに外れてしまった。
あんまり、敬語は好きじゃない。
それだけで、人と距離をとってるような気がするから……


「君は良く笑うね?それを見てるだけで、私も嬉しくなるよ」


「えっ!あ、ありがとう!」


なんか、どうしてこんな恥ずかしい台詞をサラッと言えちゃうんだろ。でも、ぜんぜん変じゃないし、様になってる。


「るな、体が良くなったら、屋敷を案内しよう。君に薔薇園を見せてあげるから」


ベルは紅茶を傾けながら、私に笑いかける。


こんな優しい人の、大切な居場所を、シドが奪うのかな?
それは、すごく悲しい事のように思えた。


私に出来る事ってなんだろう…………
私はまだ、答えを見つけられずにいた。