「あの、私はどうしてここに?」
率直に疑問をぶつけてみると、そんな事かと彼は笑う。
「私の屋敷の前で倒れていたんだよ。あまりに美しかったから、拾ってきてしまったんだ」
「う、美しい!?」
「ははっ、本当に元気な姫だね」
飛び起きる私の手を、男性は笑いながらとり、お辞儀をする。
「申し遅れてすまないね。私は、ベルイット・アルデハイト、ベルと呼んでくれ。このマルデーヌ国、ルクエラの領主の息子だよ」
「え、領主!?」
それって、すごく偉い人だよね!
しかも………
『マルデーヌ国にはもう少し滞在する。ここの領主が持つ宝をかっさらうまでだが。探し物ならその間で済ませろ』
シドが言ってた宝ってこの人のお父さんから盗むって事だよね。この人が……悪い領主の仲間………?
私はまじまじとベルを見上げる。
「君の名前も知りたいんだけど、駄目かな、姫?」
「え、あ!伊藤 るなです!えと……るなで大丈夫です!」
私を助けてくれた人。
なのに、そんな悪い領主の仲間だなんて思えないよ…………


