「魔物なんていなかったし、そうそう命を狙われるような国じゃなかったから…」
「ありえねぇな、想像も出来ねぇ。お前のいた世界は天上の国だな」
シドは心底不思議そうに私を見る。
私からしたら、この世界の方がありえないんだけどね。
「二人とも、そろそろ買い出しをしよう。宿も取らなきゃだしね?俺は宿とりに行くから、るなを案内がてら、これ買ってきて」
イオンは買い物リストをシドに渡す。
「船長も買い出しするの!?」
なんか、船長って偉そうにふんぞり返ってるイメージだったのに!!
「当たり前だ。自分の目で見た方が都合がいいんだよ」
「へぇ……」
そういうものなのかな?
私なら楽したいって思っちゃうのに。
あ、でも、新しいものとか、好きなものは自分で選びたいっていうのは、なんだかわかる!
「じゃあ、よろしく!シド!」
「はぐれたら置いてくからな」
そう言ってどんとん歩いていってしまうシド。
「ちょっと!!置いてかないでよー!」
人でなしー!!
私、他に頼れる人いないんだからねー!!
慌ててシドの背中を追いかけていく。
「シドには、いい刺激になるかな?」
イオンはポツリと呟いた。
彼女の存在が、彼にとって吉と出るか凶と出るか……
必要が無いなら切り捨てればいいだけの事だしね。
そんな私たちを、イオンが面白そうに見送っていたことも知らずに………


