夢の遠距離恋愛

「受験勉強なんてめんどくさーい」
なんて言ってる子は、私の大事な親友、中村桃香。
大人っぽくて、でも小柄な可愛い子。
桃香には、相葉歩夢という、優しい彼氏もいる。
「実稀ー」
そして私は、加宮実稀。
必要以上に美人らしい…。
よく告られる。でも、みんなのことを好きになれそうにないから、断っちゃうの。
その理由といっても、私には好きな人がいるから。
その人は、岩村聖人。
私のことが好きって一時期言っていたけど…。
「実稀ってば、実稀」
「あっ、ごめん」
「もうどうしたのよ!
隣のクラスの、えっと…賢史って言ってたかな?実稀呼んでって言ってきたからさ」
「あ、うん、今行ってくるよ」
「モテモテも大変ですね」
と冷やかすように言う桃香。
「うざいよ」
私はそう言い残して男の子のところへ行った。
「実稀ちゃんだよね?」
「うん。なんかよう?」
「今、屋上で聖人が待ってるって言ってたからさ…」
「まっ聖人が?」
「うん…」
「ありがとう」
私は胸を踊らせて屋上に向かった。
屋上では、下を覗く聖人がいた。
「よっ、実稀」
「な、なに?」
たぶん、私の顔はピンク色に染まっているだろう
「大事な話があるんだ」
「なあに?」
「俺はお前のことが好きだ」
「えっ?」
「こんな、断れちゃうこと言いたくなかったけど」
聖人の声が少し震えた。
「けど?」
「俺、もうすぐしたら転校しないといけないんだ…」
「えっ!」
私の目は、今にも涙が溢れだしそうだ。聖人が私のことが好きだったという嬉しさ、反対に聖人が転校してしまうという悲しさが上手く表現出来ずにいた。
「実稀?」
「あ、うん?」
「ごめん。変なこと言っちゃって」
「へ?」
「別に、俺が勝手に実稀のことが好きだっただけで、悲しませちゃって本当にごめん」
と言って、屋上から聖人は出ていこうとする。
「待って」
聖人はびっくりして私の方を見る。
「わ、私も聖人のことが好きだったの」
やっと言いたかったことが言えた。
「な、何言ってるの?」
「だから…私は聖人が好き!」
「本当なの?実稀?」
「そ、そう。だから聖人が転校するって聞いたとき、びっくりしてめちゃくちゃ悲しかった」
「ごめん。実稀」
「ううん。転校した学校でも頑張ってね」
私は、ぐっと涙をこらえた。
「もうすぐ高校の受験があるのになー」
「そだね」
「高校受験が大阪で受けることになるとは…」
「あ、大阪に行くんだ」
「そう。言ってなかったね。本当にごめん」
「謝んないでよ」
私は無意識に教室へ戻った。
「実稀どうした?」
桃香が声をかけてくる。
「なんでもない」
「そんなことないでしょ?」
「なんもない」
急に桃香がキレた。
「あんた、親友の勘をなめんじゃないわよ!」
私は、びっくりした。
「言ってみ」
桃香は強制的に言わせてきた。