そこで優介は何かの袋をあけた。

本日二度目のカレーパンだ。
その香りを存分に楽しみ、豪快にかぶりついた。

その時教室のドアがあいた。

白井遼(しらいりょう)、一浪して入った優介の1つ年上の男子。

「よ!カレーパン。朝からよう食ってるなあ。」

カレーパンとは優介の持っているカレーパンではなく、
優介のあだなである。

「だめかよ。誰もいなくて暇だったしよ、もっと早く来いよー。」

机にだらけながら言う。

「しょーがねーだろ。俺朝新聞配達あるし。一限から来てやってるだけで感謝しろ。」

「ほーい」
優介は口をとがらせた。