網戸にしてたから、尚更音が大きく聞こえた。


ーーーカシャ。





遠くから笑う、安達紗羽。

「あーら、これ、マスコミに出したらどうなるかしらねえ?フフフ」



不気味に笑う、安達紗羽。

その声に気づいて、奥から圭斗が出てくる。








ーーーーーーダメ。来ちゃ、ダメ。




後ろから来る圭斗の気配に、私は反応する。

来ちゃダメ、と、合図を送る。







すると、後ろから、ポツリと切なげな声。

「バーカ。もうバレてるよ」








そう言って圭斗は、私の隣に来た。


その堂々さに、安達紗羽はキョドってカメラを落とす。









まだ繋がったままの安達紗羽との電話に向かって、圭斗は言った。




目の前の安達紗羽を、見下しながら。









「今からそっち向かうんで、待っといてください」




圭斗は、勢いよくカーテンを閉めた。