「おはよ!優那、治ったの?」


『ううん。まぁ、治ったんだけどね。またぶり返しちゃった』


「そっか…って、じゃあなんでここに居るのよ!?」





私の目の前で、すごすぎる喜怒哀楽を見せているのは、美奈実である。

今ここは、私のオフィス。会社。










『ん、部長に頼まれてた資料、今日までだったから』

「そのためにわざわざ来たの?」

『お仕事でしょ』



心配そうに私を眺める美奈実。
心配させまい、と、明るく笑顔で振る舞ってみせた。






「いや。もう帰んな?資料、出しといてあげるから」

『いや、いいよ。そんくらい自分で…』

「これ以上ひどくなったら休み長引くだけでしょ!」








そう言って、美奈実は、私が持っていた資料を強引に引っ張った。

ふふふ、美奈実なりの優しさなんだろうな…















「あ、さっきたまたま自動販売機で買ったの、コンポタージュ。はい、あげる。優那好きでしょ?」


そういって、美奈実の会社服のポケットから、缶のコンポタージュが出てきた。

私はそれを、ありがたく受け取る。











『わ、ありがと…。ごめんね…』

「いーのいーの!もうすぐお昼休み終わっちゃうから、タクシー呼べないけど自分で呼べる?」

『うん…本当ごめんね、ありがと!んじゃまたね!』



最後は笑顔で背を向けた。






『はぁ…』

もう頭ガンガン。
超寒いし。










早く帰ろうっと。









携帯を開いて、タクシーを呼ぶ。


三分もしない間に、和真さんタクシーが来た。







自動で開くドアに誘導されて、私は車内に乗る。

今日の和真さんは、異常にテンションが高かった。



















なんだか、ほっこりして、元気になれそう、なーんて訳わかんないこと考えてた。