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ピピピピ。
脇から白い棒を抜く。
白い棒の中心部には、36度8分と書かれた温度。
『あー、だいぶ下がったな』
午前六時。
目覚めてすぐ、私は体温計で熱を図っていた。
昨夜よりは、下がったな…
まあこれで仕事に行け………行きたくないな。
あと今日だけ、休もう。
リビングにある携帯を取りに行く。
携帯のホーム画面には、新着メールが二件来ていた。
迷惑メールか?
もし迷惑メールだったら、返信して脅迫メール送ってやる。
そして、開くと、同じ番号から2つ。
どちらとも、圭斗だった。
一番初めのメールは、午前四時。
《 優那。今日逢える?逢えるなら、俺ん家のまえで待ってるから。今すごく、お前に逢いたい。》
急な素直メールに、ビックリした。
というよりも、恥ずかしかった。照れた。
てれ紛らわしに、もう一件の圭斗からのメールを開く。
《 ごめんごめん。前のメールの内容、訂正。今日、俺ん家の近くのスマイル公園で夜八時に待ってるから。早く会いたいよ。あ、返信は要らないから 》
『…』
返信は要らないから、なんて今までメールしてきた中で初めて言われたな。
普段そんなこと言わないのに。
どうせいけるし、言いたいことは直接言えばいい。
だから私は、圭斗からの指示通り、返信メールは返さなかった。
公園か……
熱、ぶり返しそうだなぁ……………
不安はあったが、その倍、久々に会える喜びのほうが大きかった。
