「俺の女になってもらおうかな」


『…』


「俺の彼女になってもらおうかな」


『…』


「俺の彼女♡」


















『ぇええええええぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇえ!!!!??』








嘘でしょ!?

この人何言ってるの!?






恥ずかしくて、顔があっついよ。














私の絶叫が、シンプルな部屋に響く。

桜田圭斗が耳を塞いだ。








「うっせえよ。耳壊れる」

『い…いっいやだって、あの!彼女って…その…』

「なに?嫌?」

『いやとかそう言うわけでは…てかむしろ嬉しいんですけどそれって、それって……って、あ!』



お腹を抱えて笑いこむ桜田圭斗。




「あはは!おもしれー。誘導尋問」

『ひっど!』



くそ。ひっかかった。

でも、本音でもある。







「でも、本音でもあるんじゃないの?」

『あ……はぁ、あはは』


…何だこのひと。
私の心、読んでるみたい。





「なんでも言う事聞いてくれるんじゃなかったの?」

寂しそうな目で、近づきながら話しかけてくる。



『い、あ、の、、』


「ん?」



『わ、わ、わっ…わかりました………』


「え!?嘘!まじで?」






急な私の言葉に、逆にビビる桜田圭斗。



その言葉に、私はコクンと顔を振る。







すると桜田圭斗は、私をぎゅっと抱き寄せた。

いつもの、テレビで見るような笑い方で。



微笑ましい、目さえ笑った表情で。













「んじゃ俺のこと、圭斗って呼べよ。そしたら俺もお前の事………って、俺、お前の名前知らねーや」

『……優那です…』

「ん。優那な。ごめん、今までお前呼ばわりで。大事にするから、優那」






今まで見たことない桜田圭斗。

…じゃなくて、圭斗。








抱きしめられたまま、私は話す。

『あの…苦しいです……』


「いやだ。もーちょっとこうやってたい」





………ん?

…甘えモード?



デレ?……





パッ、と思いついたこと、ひとつ。

『桜田圭……圭斗って、あの、その、もしかして…人見知りですか?』


圭斗の顔は見えない。

けど、きっと、真っ赤だろう。

だって…


「………っ。よ、よく言われる…けど、認めて…ない」





喋る声が、あまりにも切羽詰まってて。

必死に言い訳する、小さな子供みたいで。



かわいくて。









わたしもギュッて、だきしめた。


それに反応するように、圭斗が話す。






「これから敬語、やめろよ。マスコミなら続けていいから。紗羽さんのことは…徐々に何とかしていくから」

『ん…』

「すきになったよ、優那のこと」



















突然の告白。

笑う、桜田圭斗。









秘密の関係、スタートです♡