その光景を見ているだけで、涙が止まらなくて。

「管変えて!!電気ショックで心臓戻すから下がって!!」

先生が直の胸に機械をつけて、衝撃を与える。直の体が浮くけれど、意識は虚ろのまま、変わらない。

もう…あの頃の笑顔は見られないの…?





『ねぇなーおくぅん♪』

『何だよ気持ち悪い』

『ひどいなー!!アタシだって女の子だもん。こんな呼び方も憧れるし!!』

『はいはい。俺にとってお前は女にしか見えないから、そんな呼び方しなくても大丈夫!!……本当、面白い』

『あっ!!今直笑った!!!』

『笑ってねーし?』

『いや笑ったよ♪』

『…んじゃ、そいうことにしといて?』



大好きだった笑顔が消えた直は、ただの魂の抜けた人形みたいで。

時間がコマ送りで進むような気がして、1分、1秒が長く感じてる。



「戻ってこいっ…!!頼む、戻ってくれ……!!!!」

先生が必死で、心配蘇生をしてる。
すると、ドアから直のお母さんだと思われる人が、ハアハア言って泣きながらアタシ達のそばに来て。




「……ハアアッ…ハアッ……直、高は…!?」

「……今、最善を尽くしてます」

香が説明してくれた。
死ぬような思いで、見届けるアタシ。