「…香那…」
「……」
「…どうして、泣くの」
「……ごめん」
「…なんか、俺もごめんね」


そっとベッドに腰かけている
アタシを後ろから抱きしめた手が

アタシの体温の低さを知らせる


「…学校、おいでよ…」

「行きたく、ないよ」

「そんなこと言わないで」

「直高がいない教室に……行く意味はアタシにはないよ」


アタシはそっと
ベッドから立ち上がり
彼の手を振り払って

ラブホを出る