Closed~閉じてる彼ら~

話を切り出すのはあたしで、彼が短く応える。





たまに子供とすれ違ったりすると、彼は返事も忘れて、子供を目で追った。


「天城くんさ、子供好き?」

「…じゃなきゃ、孤児院なんかに行かない」


ねぇ、名前を聞き忘れちゃった彼女。

彼、ホントに、あたしを気に入ってるんですか?


「手伝い?」

「…あぁ。あそこは人が少ない」

「ふぅん」


明日も行こうかしら。





それから別れるまで、二人は無言だった。