鬼殺し

三日月が雲に少し隠れ虫の音が微かに聞こえる。
自転車を近くに止めて俺は軽めの装備で夜の学校というものにやってきた。
「夜十一時…まだ誰も来てないな」
門を押すと少し開きおそらく警備員はまだ来ていないのだろう。
「紹也？」
「葵⁈」
突如電信柱の影から現れた葵はかなりラフな格好をしており小さなカバンを肩からかけていた。
「葵学校入らないのか？」
「………寂しくて」
冷静な葵の萌え？萌えなのか？萌え？いやいや落ち着こう,葵が心細さそうだぞどうする俺。
「なら,手繋ぐ？」
「………うん」
俺は高鳴りを何処かへ投げ捨て手を差し出した。
葵は俺の顔と手を何度か見て握った。