鬼殺し

「……キャハハハハハハ」
廊下のせいかやけに響く人間とは思えない甲高い耳が痛くなるような声。
「キャハハハハハハ…キャハハハ?」
笑い声に疑問が生まれ心臓がドクドクと嫌に鼓動する。
……ばれたか…?
……カラン…
少し遠く,缶のようなものが落ちる音。
「キャハハハハハハ‼︎‼︎キャハハハハハハ‼︎‼︎」
それに反応するように高く大きく笑う何かはペタペタと足音を鳴らして何処かへ走り去って行った。
何か,人間とは思えぬ異常な,鬼。
「ねぇ,さっきの音…葵じゃない?」
優花が真っ青な顔で俺に尋ねる。
「多分そうだよ…葵ちゃんしかいないもん。先生も警備員もいないわけだし」
「…葵が庇ったのか?」
「きっとそうよ。葵,頭いいし」
沙由香も頷き俺らは葵に助けられたと安堵が生まれ同時に不安が湧き上がった。
「……あっ、あったよ…!武器…!」
小声で伝える沙由香は包丁のような物をこちらに見せていた。
武器を持ち安心感が現れ緊張がほぐれる。
「お,やるじゃん。沙由香」
「それじゃ,鬼を探しましょうか」
「なら,葵に連絡するわ」
優花は携帯の音量をなくして葵に連絡を入れた。