毎日が平凡に過ぎていく。

詰まらないようで、そうでもない毎日。

期待してたほどではないが友達もできた。

勉強もバイトもして、日々学生ライフを堪能している。

だけど・・・何かがかけている様な気がしていた。

まるで大事な何かを忘れているような・・・そんな気がしていた。



相楽 洋20歳。

大学受験に失敗したが、それでも大学に入りたいと思い浪人までして大学に来た。

期待と夢を胸に勉強を頑張り大学に来た。

しかし、洋が思うほど大学には夢もロマンも無かった。

それでも、来たかった大学だから嫌々ながらも淡々と学生生活を送っていた。

そんなある日だった。

友達の一人である長沢がとうとう彼女ができたと言ってきたのだ。

そいつとは仲が良くて色々話す間柄だったので、洋も素直に喜んだ。

「やったなぁ~。これで独身貴族卒業だな。」

「おぅよ!これで華々しい毎日が訪れるに違いない!」

長沢は目を輝かせていた。

「ヒロもさぁ、一人で居ないで早く彼女作ってハッピーライフを送ろうぜ~。」

長沢が洋の肩を叩きながら幸せの説教をたれていた。

「やめとけよ。長沢。」

少々気分が落ちていた洋と浮かれた長沢のもとへ新たに近づく男の影が見えた。

「なんだよ~。晃じゃ~ん。」

今まで洋の肩を叩いていた手を、今度は晃のほうに向けた。

「やめろ。しばくぞ。」

晃はクールな面持ちそのままに、言動や行動もかなりクールなやつだが、根はいいやつで、とても頼りになるそんな男であった。

「そういえば、何で洋にはやめとけなんだぁ~?」

「長沢。洋とも結構な付き合いになるのに、まだわからないのか?」

晃は呆れながら長沢に聞いてみた。

「ほぇ??」

その返事に晃はため息をついて改めて説いた。

「いいか?洋はお前と違って白い存在。つまり心が何色にも染まってない無垢なやつなんだ。そんなやつに、急に彼女を作らせたらどうなると思う?」

「んー。喜ぶ?」

「あほ。恋のイロハも知らないやつが恋をしたら、その純情さから自分を破滅に向かわせる。」

「破滅・・・。」

その言葉に、二人は黙り込んでしまった。