「上履き、俺が買うから」

「え。いらないし」


もちろん、即答する私。
だって、これは“秋人の所為”ではないんだから。



「だって、俺と別れたからじゃないの?」

「違うよ。だって、犯人誰だかわかってないんだよ?」

「それなら尚更、俺を好きな子がやったんじゃない?」

「例えそうだとしても、その子と私の問題で秋人には関係ない」

「……」



わざと、強めの言い方をした。
ここまで言わないと、秋人が引かないのを私は知ってる。


好きな人、なのだから少しは関係あるんだろうけど。
でも、秋人は自分が傷付いてでも助けようとするから。


だからこれで引くと思ってた私は、帰ろうと言葉を続けようとした。
それは秋人に遮られたけど。



「関係はある」

「……」