情けなく眉を八の字にすると、秋人は小さく首を振る。
素直に認めて欲しい。

変に期待なんて持たせないで欲しい。


秋人の好きな人を知っても、好きでいようなんてまだ思えない。


そりゃ簡単に諦める事は出来ないと思うけど。
すぐに諦められるなら、きっとあんなに泣いたりしないし。

顔を見て、ムカつくけど好きだなんて思わない。



「正直、今自分がどうなのかわかんないんだ。
愛ちゃんと話せて嬉しいし、キスしたい気持ちは嘘じゃない。
だけど、……一番なのかなって言われたらよくわかんない」



秋人の綺麗な顔が歪んで行く。
それと一緒に私の顔も歪む。

ズキズキと胸も同時に痛み出して来た。


秋人の中で、麗さんっていう存在が果てしなく大きいのかもしれないな。

どれぐらい好きだったんだろう。
気付いたら好きだったのかな。


それで、関係が壊れちゃったのかな。