「……シゲ…をね?私、大好きなんだよ」

『……』

「でも、その“好き”は恋愛感情じゃないの」

『……』

「ごめん、シゲ。私、シゲとは付き合えない」


掠れた声で、私はハッキリとシゲに伝えた。

シゲは何も喋らない。
この沈黙が怖い。


どうしよう。
このまま、もう連絡するなとか言われたら。


私のオアシスが消えちゃうよ。


目をぎゅっと瞑ると、シゲの声がする。


『……わかった。なあ、一つ聞いていい?』

「うん」

『本当に好きな人、いないの?』

「……」

『……』

「……いる」

『……そっか、やっぱり』

「つか、今日自覚して今日振られて来た」

『はあ!?』



素っ頓狂な声を上げるシゲ。
そりゃそうだわ。
こんな変な事、カミングアウトするなって話だよね。