これの事かな。
その頑丈そうな扉の取っ手部分を持つと前へと押した。


ギギっと開いた先には、あの庭が見えて地面一杯に砂利が敷き詰められている。
ここからいつも瞬は入ってるのかも。

なんて、妙に納得しながら私は中へと入る。
それから、麗さんの部屋へと向かった。


その麗さんの部屋に辿り着くまで、三つ程部屋がある。
一つは秋人の部屋だけど、他は入った事ないしわからない。

奥行きから考えてももう少しあるかもしれない。


麗さんの部屋の前に到着すると、麗さんの明るい声が中からした。



「入れよー」


私は「入ります」と言いながら障子を引く。
部屋の中を見て、私は目を見開いた。


ガランっとした部屋。

前に来た時は整然とされていたけど、ちゃんとした麗さんの部屋だった。


だけど、今はそれほど大きくもない段ボールが三個ほど積み上げられてるだけ。
そんな荷物少ないの?



「サッパリしただろ?この部屋」



部屋をぐるりと見渡す私にそう声をかけた。